12KENから20KENへ
~DNA音程の創る形~(下巻)

第3章 12KENから20KENへ

アイデアを実際の理論い昇華するための、計算、検証が行われます。
この章は少々難解であるため、結果だけを知りたい方は、挿絵に目を通すだけで第4章にお進み頂けたらと思います。
私としては、この章こそ、本記事の心臓部分に当たるため、熟読をお勧めします。20KENを12KENから矛盾なく構成することができ、それがDNA音程だけで構成されていることが確認されます。

3-1 KENの既約表現

どのように12KENから20KENに展開が可能でしょうか?
普通に考えれば、12から20を作るには、なにか8個付け足さなくてはなりません。
何か付け足さなければならなかったり、その都度例外を作るような理論は美しくないだけでなく、大抵間違っています。
もし12KEN理論が正しければ、何か付け足さなくても情報を引き出せるはずです。
ではどうすればよいのか?これが、初めの問題意識でした。

1つの12KENは、同時に無限個の12KENの重なりでもあることを、
2章4節で説明いたしました。
*後ほど詳しく議論いたしますが、12KEN を無限個必要とする仮定を有限にすることが出来ます。
これからする議論においては、無限個の12KENを仮定しても問題はありません。
したがって、以下の議論では12KEN の無限として話を進めていきます。

12KENの持つ対称性から、12KENを2個用意しても12KENになります。
仮に、24KENというものを考えたとしても事態は同じです。
また、任意のnKEN(nは自然数)を考えることが出来ますが、KENはnが12以上で定義されるので、nが12以下のKENは存在できません。

例えば、24KENは24の因数分解の積の組み合わせの数だけKEN構造を考えることが出来ます。

24=2^{3} \times 3なので

24KEN
=[24KEN× 1sheet]   ①
=[12KEN× 2sheet]   ②
=[ 8KEN× 3sheet]    ③
=[ 6KEN× 4sheet]    ④
=[ 4KEN× 6sheet]    ⑤
=[ 3KEN× 8sheet]    ⑥
=[ 2KEN×12sheet]   ⑦
=[ 1KEN×24sheet]   ⑧

の8通りのKEN構造を考えることが出来ますが、実際に定義できるKENは①と②だけということになります。
また、24KEN=12KEN(KEN代数の性質②)より、実質的に24KENは12KENとおなじKEN構造であることが解かります。

したがって

n=1の時、12KEN
n=2の時、24KEN=12KEN

次はn=3,4,5の場合を調べてみます。

n=3の時

36KEN
=[36KEN× 1sheet]   ①
=[18KEN× 2sheet]   ②
=[12KEN× 3sheet]   ③
=[ 9KEN× 4sheet]    ④
=[ 6KEN× 6sheet]    ⑤
=[ 4KEN× 9sheet]    ⑥
=[ 3KEN×12sheet]   ⑦
=[ 2KEN×18sheet]   ⑧
=[ 1KEN×36sheet]   ⑨

の9通りの組み合わせが考えられますが、定義より①、②、③だけが
KENとして定義されます。
36KENはKENの表現として②,③を持つという言い方をします。
その意味は、12KENでなくても18KENというKEN構造を持つことが出来るという意味です。
このKEN表現の多様性が20KENの発見につながったのです。
KENの表現が複数あること、それをリーマン面で幾何学的にとらえること、最後はコルトレーンのスケッチ(それは60KEN!)のKEN構造
を結び付けることにより、とんでもない結論へと私たちを導いてくれます。
このnKEN(n≧12)の可能なKEN構造のことを、KENの既約表現と定義し、可能なKEN構造の個数を既約表現の個数と言うことにします。

次にn=4の時

48KEN
=[48KEN× 1sheet]   ①
=[24KEN× 2sheet]   ②
=[16KEN× 3sheet]   ③
=[12KEN× 4sheet]   ④
=[ 8KEN× 6sheet]    ⑤
=[ 6KEN× 8sheet]    ⑥
=[ 4KEN×12sheet]   ⑦
=[ 3KEN×16sheet]   ⑧
=[ 2KEN×24sheet]   ⑨
=[ 1KEN×48sheet]   ⑩

の10通り、定義より、①、②、③、④がKENとして定義されます。
KEN表現としては、③、④の表現がKENの既約な表現となります。

さて、いよいよコルトレーンのスケッチについての検証です。

n=5の時

60KEN
=[60KEN× 1sheet]   ①
=[30KEN× 2sheet]   ②
=[20KEN× 3sheet]   ③ このKEN構造だけが特別な意味を持つ
=[15KEN× 4sheet]   ④
=[12KEN× 5sheet]   ⑤
=[10KEN× 6sheet]   ⑥
=[ 6KEN×10sheet]   ⑦
=[ 5KEN×12sheet]   ⑧
=[ 4KEN×15sheet]   ⑨
=[ 3KEN×20sheet]   ⑩
=[ 2KEN×30sheet]   ⑪
=[ 1KEN×60sheet]   ⑫

の12通り、定義より、①~⑤までがKENとして定義されます。
KENの既約表現としては、②,③、④、⑤の4種が考えられます。
そして、③の20KEN表現だけが特別な意味を持つことが20KEN理論の発見に導きます。

n=7の場合を調べる前に、③がなぜ特別なのか?他の可能性がすべて排除される観点はどこから来るのかを述べるために、KENの既約表現をより深く調べていきましょう。

20KEN×3sheetが実際どのようになっているのかが以下の図です。(レジュメ17)

12KENの12の各頂点が単音であったのに対し、20KENの20の各頂点は3和音を構成していることが解かります。つまり、
各頂点のアイデンティティーが単音ではなく、和音によって類別されているということなのです。
さらに、ルートを無視して、各頂点の和音を類別すると4種類の和音に類別されることになります。(レジュメ18)

*のちに詳しく議論しますが、この4種の3和音がそれぞれ、DNA音程A、C、G、Tに対応します。
また、3和音20個で1周期を構成し、そのあとはこの周期が繰り返されます。
いわば、和音による新たなオクターブのようなものが構成されたと考えてよいでしょう。

3-2 KENの頂点周期とコード周期

前節で(12×n)KENというものが12KEN×nsheetにならない場合を、KENの既約表現と定義しました。
例えば、n=3の時、

(12×3)KEN=36KEN×1sheet
=18KEN×2sheet
=12KEN×3sheet

N≧12:KENはn=12以上でなくては定義できないことに注意です。
例えば、6KEN や11KENなどのKENはそもそもケスエーテルネットワークを構成できないため、考えることが出来ません。
したがって、36KENの既約表現とはこの3種類ということになります。
ここで、いろいろなnに対する(12×n)KENの既約表現を考える時、任意のNKENがどのようになっているか調べる必要があります。20KEN×3sheetのように、3和音を構成できるのか?
12KENの頂点の並びをクロマティック進行、4度進行、5度進行に変更した時も同様の結果になるのかなどの情報を網羅するために、一般のKENの検算プログラムを構築しました。
この検算プログラムを作ってくれたのは、このHPのシステム管理者であり、私の数学の共同研究者でもある広国善紀さん(おもちさん)です。
基本の数パターンを手計算で私がゴリゴリやり、状況が見えてきた段階でおもち君にまるなげします。このコンビネーションで今までもいろいろな発見がありました。
実際にプログラムでいろいろなKENの状況を確認するといろいろなことが一目瞭然となりました。KENの数理的構造が明らかになり、すぐにでも、いくつかの定理やその証明が頭に浮かんできました。次回の記事は、この辺がメインテーマになるかもしれませんが、たぶん、一般読者には面白みに欠ける内容かもしれないので、PDFにして論文形式で掲載するかもしれません。
また、ユーザー登録をしていただいている方には、このプログラムをオープンソースとして公開することにしました。読者の方で、定理の証明にご協力していただける方がおりましたら是非一報いただければと思います。

ここで、一般のKENの考察に入る前にいくつかの言葉を用意しておく必要があります。
20KEN×3sheetの場合、うまい具合に、頂点が3和音になってくれました。
しかし、一般のnKENを考える時、4和音や6和音になることもあります。
頂点がm和音になるとき、mを和音周期と呼ぶことにします。
つまり、20KEN×3sheetの場合、頂点が3和音ということで和音周期は3ということになります。
また、和音が構成している各頂点がルートを無視した同一和音の頂点に重なる周期を頂点周期と呼ぶことにします。
また、ルートの違いを区別した頂点周期をオクターブ周期と呼ぶことにします。言葉で定義すると難しいですが、図を見れば明らかです。

ここで、和音周期と頂点周期の基本的な関係を定理(証明省)としてまとめておきます。

(定理1.1)和音周期×頂点周期=12

つまり、和音周期か頂点周期のどちらか一方が解れば、両方解るという意味の定理です。

それでは、実際の計算結果を検証してみましょう。
実際のプログラムはn=1000までのKENに対して計算が可能ですが、今回は典型的な結果を示すためにn=12~20、の場合について詳しく検証してみます。

n=12の場合、これは勿論12KENです。(レジュメ19)

和音周期1、つまり、単音です。

頂点周期は12です。
単音が12で一周するのですから、これはスケールです。
プログラムはクロマティックスケール、4度進行、五度進行、自然倍音列の4パターン表示が可能です。
が煩雑になるので、以下、4度、5度進行の2パターンで説明していきます。
この二つは表裏の関係で、実は時間(方向つけられた量:ベクトル量)を生み出す機構にかかわっています。
このことについても以下の議論で明らかになってきます。

次にn=13の場合です。(レジュメ20)

13はKENが定義できる最小の素数とも言え、11はKENが定義できない最大の素数ということが出来ます。
13は普通の数論の意味でも素数ですが、13がKEN数論の意味でも素数であることが解かります。
ちょっと見にくいですが、和音周期12、頂点周期1ということになります。
これは、13の全ての音が同じになってしまうという現象であり、ある意味でKENではなくなってしまいます。
この状況をKEN数論における素数の定義とします。

(定義1.3)和音周期が12となるKEN数(nKENが定義できる自然数n)をKEN素数と定義する。

また、この定義をKEN素数判定の判定法ともとらえることが出来ます。

(定理1.4)nKEN(nがKEN素数)の和音周期は12である。

*もちろん、KEN素数は、KEN数論における定義なので、一般の素数とは異なります。
また、これは、単にP進数や合同法にすぎないと考える方もいらっると思いますが、和音周期や12KENは共鳴位相によって結ばれた構造体でしか考えることが出来ない性質故、普通の数論からは考えることが出来ません。
また、音が重ねられるという性質故、リーマン面による畳み込みが有効に働くのです。(重要!)
体共鳴を公理化した数論であるKEN数論が、単なる脳内神経伝達の結果生まれた普通の数論よりも情報量が豊かであるならば、今までできなかった証明が出来るようになるかもしれません。
もちろん、単なる私のたわ言で終わるかもしれません。
しかし、やってみる価値は十分にあると思います。

n=KEN素数の時、KENが定義されないので既約表現として除外できると考えます。
したがって、n=17、19も除外です。

n=14の場合(レジュメ21)

コード周期6、頂点周期2です。

頂点周期2の場合、二つのホールトーンが明滅している感じです。
二つの状態が明滅している状態は時間概念を生み出すことが出来ないことに注意してください。
点滅している何かをビデオに撮って、逆再生させてみても、時間がどちら向きに流れているかを認識することが不可能なはずです。
実は、頂点周期が3以上になって初めて時間の概念が発生することが直ぐに判明します。

時間が発生できないことと、DNA音程の4つ組が出来ないことから、12KENを展開して20KENを構成する因子になれないことが解かります。
忘れてはいけませんが、私たちの目的は、12KENという情報の種を展開することによって宇宙創成の第一歩を生み出すことなのです。
そのためには、時間、DNA、を同時に生成する機構が必要なのです。

n=15 の場合

これはn=14の場合と同様の現象が起こります。
ホールトーン明滅タイプです。

n=16の場合(レジュメ22)

和音周期3、頂点周期4です。
より一般に次の定理が成り立ちます。

(定理1.5)nKEN(n=2^n)の和音周期は3である。

この場合、DNA音程も、時間も生成できます。
基本的に和音周期3のKENはこれが可能です。

しかし、Nの値が、5の因子を持たないため、また、エーテルに直交する向きの違う4種の粒子合計8が加わった数にならないため(それは20)、除外します。
全ての要件を満たす最小のnKENが20KENであることが解かります。

n=18の場合(レジュメ23)

和音周期2、頂点周期6です。

和音周期が2ということはDNAの4つ組が作れずに除外です。

n=20の場合(これが正解!、レジュメ24)

この場合のみ、DNA3和音の4つ組

A:アデニン(C#FA)、C:シトシン(D#BG)
G:グアニン(DF#B♭)T:チミン (CEG#)

が構成でき、かつ、時間の向きを生み出すことが可能であることが解かります。
また、20という数字が5の因子を含み、12KENに直交する合計8種の粒子が時間軸を作るという記述にも当てはまります。
16KENは時間とDNA音程をつくれてもこの要件を満たすことが出来ませんでした。
そして、一度20KENが組みあがると、12KEN同様、一つのユニットとなり、20KENが二つあったとしても20KENになるという現象が起きます。

つまり、(20×n)KEN=20KENになります。

ここでn=3の場合の時、60KENです。
これはコルトレーンスケッチそのものです。

60KEN=12KEN×5sheet
=20KEN×3sheet

であることが12KEN情報の展開を可能にしています。
40KENの場合、20KEN×2sheetの意味はあっても12KENの展開にはなっていないことに注意してください。
したがって、12KEN展開が可能な(20×n)KENは(20×n)が12で割り切れる時のみ可能ということが出来ます。

20n/12=m

n,mは自然数であるとすると

n=(3/5)m

とあらわされる自然数でそれはMが5の倍数であるときのみ可能ということが出来ます。

mが5の倍数であるときのNの値は

n=3、6、9、12、15、、、、

となり、n=3l、lは自然数 の時12KEN展開情報としての20KENが構成可能になります。

n=3の時
60KEN=12KEN×5sheet=12KEN
=20KEN×3sheet=20KEN

n=6の時

120KEN=12KEN×10sheet=12KEN
=20KEN×6sheet =20KEN

n=9の時

180KEN=12KEN×15sheet=12KEN
=20KEN×9sheet=20KEN

以上の諸結果から、12KENから20KENへの拡張だけが特別な意味を持つことが解かります。

より精密にこの事実を保障するために、KENの一般理論であるKEN数論の研究が必要になってきました。
実は一般のKENに理論を拡張していくと、DNA音程構造を維持しつつ、素数を取り込みながら新たなKEN構造を構築出来る機構が存在することが解かりました。
例えば、28KEN というものが考えられますが、これは12KENと20KENの情報を含みながら、7の因子を持つことのできる最小のKEN構造なのです。
そして、12と互いに素な因子がKENの展開に絡んでいることが解かります。
4×5=20KEN、4×7=28KEN、4×11が44KENとなり、これらすべてのKENがDNA音程を構成できるKENかつ、その前までの因子で構成できるKEN構造を全て内包するKENなのです。
これが何を意味しているのかは今は解りませんが細胞分裂に関わることではないかと考えています。
よくよく考えれば、ただ細胞分裂が繰り返し起こって生命ができるというのはおかしな話です。
むしろ、12KENのように無限の情報が内包したものが展開していくと考えるほうが自然です。
そういったことに関わることなのかもしれませんし、単なる理論値なのかもしれません。

*理論値:理論の帰結として出てきた事実ではあるが、現実の宇宙とは何の関係もない可能性もある理論上の値のこと

3-3 20KENのノードと和音ケスエーテルについて

この節まで、20KENのノードについては、議論が煩雑になることを避けるため、敢えて言及することを避けていました。
12KENとは頂点同士がケスエーテルというものによって結び付けられた構造体であるのですから、20KENのノードについてもその構造は維持されていなくてはなりません。
12KENは12基本ケスエーテルを組み上げることが最終目的でしたが、20KENでは12KENをKEN展開することにより構成されるので、ノードは初めから繋がっていることは解っています。
あとは、そのノードが、最終的にどのようなネットワークになっているのか?重複しているのか?などの問題が残っています。(レジュメ25)

驚くことに、20KENのノードの全てもDNA3和音で構成されており、20ケスエーテルの足もちょうどDNA和音のノードが8本ということが解かりました。
本当に驚くべきことなのですが、20KENのこのような事実が、如何に12KENの発見が奇跡的であったのかを再確認させてくれました。
こんなに綺麗に辻褄が合うなんて、12KEN発見時点では思いもよりませんでした。

それでは実際に確認していきましょう。
20KENでは、ノードの数が3倍になり、かつ、3本一組(DNA和音)になりますから図形にすると
とんでもなく煩雑になってしまい、完全図式化は不可能です。
しかし、全てのノードがDNA音程になり、全ての頂点同士が繋がっていることは計算から確認することが出来ます。
まず、12KENのノード数は48本です。
20KENのノードはそれが5オクターブ分あるわけですから全部で

48×5=240本

ということになります。
そして、この240本のノードが全て3つ組のDNA和音になるので

240/3=80本

ということになり、DNA和音ノード80本が20KENの各頂点に繋がっていることが解かります。
また同様に、基本12ケスエーテルからノードを考えますと12の頂点から8本のノードが出ており12×8ノードで96ノード、これら全てのノードを2点が共有するため、96/2で48ノードが12KENのノード数となります。
20KENの場合は、ノード数が3倍になり、頂点数が20に増えるわけですから20基本ケスエーテルは20頂点のそれぞれが8ノード×3=24本のノードを持っていると言えます。
したがって、20頂点×24ノードでケスエーテルのノード数は480本、これら全てのノードを2点が共有するため、480/2で240ノードが20KENのノード数となります。
以上が20KENのノードの数の確認計算です。

次に、20KENのノードが全てDNA音程となることを確認します。
これは、図示が可能なため、一目瞭然の表を掲載します。(レジュメ26)

任意のKENにおけるノードの和音周期がどうなっているのかの検算プログラムも作りました。
今後の研究に役立つことでしょう。

はじめにも書きましたが、20KENは12KENを展開することにより構成していますのでノードが初めから繋がっています。
したがって、12KENでやったようにつながり方を問題にする必要がありません。
どのように繋がっているのかさえ分かればよいので、以上の計算確認で20KENのノードについて全て知り得たことになります。
20KENは20の頂点だけでなく、80本のノード全てがDNA音程で構成されていることが解かりました。20KENこそDNAなのです。(レジュメ1)

3-4 20KENの正12面体表現とDNA音程

やっと長い検証が終わりました。
この節では、今までの検証をまとめ上げると同時に、20KENとDNAについてお話ししたいと思います。

20KENがDNA音程だけで出来ていることが確認されました。
そして、20KENの配置を少し変えると、正12面体にすることが出来ます。(レジュメ3)

この正12面体が12KENに内包されないことから、20KEN発見がうながされたわけですが、これで5つのプラトン立体とKEN構造を整合させることが出来ました。
ここでもう少し、DNAについてお話ししたいと思います。
数か月前ですが、京都大学の発表で音が耳だけでなく、DNAに直接作用しているという論文が発表されました。

細胞が音を聴く? -音により細胞に遺伝子応答が起こる可能性を示す-

DNAは振動の塊であるわけですから当たり前といえば当たり前なのですが物質科学的見方に慣れきっている人たちにとっては、馴染みのない考えであると思います。その振動の塊であるDNAの構造が20KENです。
20KENこそ、DNAの本当の姿なのです。
しかし、DNAは2重螺旋ではないのか?
DNA塩基の組み合わせはA-T,G-C間でしか許されないのではないか?
そんな声が聞こえてきそうです。
当然です。
しかし、それは、20KENの姿を物質的なDNA2重螺旋構造に脳が見せているのです。
つまり、物理的認知とは、脳が情報をカットオフしてしまった情報を捉えているにすぎないということなのです。
また、1-4節にありますように、DNAを振動の塊と考えた時の振動のネットワークを視覚化したのが20KENだということで、目で見たDNAではなく、耳で聞いたDNAの姿なのです。
そして、耳で聞いたDNAの姿こそ、真のDNAの姿を現しており、目で見た物質相であるDNA2重螺旋は、脳が情報をカットオフした姿にすぎないということなのです。
私は、そのような物理的に認知できない情報をDNAレベルで認知することが出来ます。
だからこのような考えや理論が展開できるわけです。
DNAが音を識別しているという研究結果は、今後、我々の研究の後押しをすることになるでしょう。
12KENから20KENの情報展開が可能になり、アルザルと地球の次元トンネルはより風通しの良いものになりました。
12KENが魂(意識)ならば、20KENはDNA(身体)です。
そして次の段階が、振動を物理的に制限して見せてしまっている機構の解明です。
これには、電磁気や3次元空間の認知機構発生メカニズムと大いに関係があります。
また、無限素数の発生や23.46セントのずれのある平均律など、脳内認知と身体認知の間にあるギャップを解明しなければなりません。
いよいよ、私の長年研究してきたフォノグラムがKENの理論と融合する時が来ました。KENの理論がアルザル方面からの理論だとすれば、フォノグラムの理論は地球側からの理論だからです。

第4章 12KEN情報展開理論

20KENが発見されたことで、12KENとの関係がより深く理解することができます。
また、12と12KENとの違いを明らかにするために、12の起源を考察いたします。
12⇔20⇔20KEN⇔12KENという関係性が解り、戌午転換、12KEN展開、12KEN還元によってそれらの関係が結ばれていることが解かります。
そして、脳、身体、意識の三位一体構造が、共鳴という観点(KEN理論)から浮かび上がってきます。

4-1 12の起源

なぜ12音階なのか?この問いに明確に答えられる人はいないのではないでしょうか?
また、12経脈、12星座、時計の12、12干支など、12をパラメーターとする起源はどこにあるのでしょうか?
この節では、12の起源について、ちょっとした仮説を唱えてみようと思います。
大脳は、身体が感じる広大な振動情報を神経電位に変換するため、A/D変換を行い、情報のカットオフを行っています。
脳内で処理している情報量は、デジタル信号処理後の情報量なので身体が感じ取っている元の情報量よりも少なくなっています。
この差が12音階におけるピタゴラスカンマ(23.46セント)という値に現れます。

我々現代人は、平均律というものに慣れてしまっています。
平均律とは、任意のどの二つの音を同時に鳴らしてもゼロビート(うなりがない状態)になりません。
一流のピアノ調律師は、このうなりを耳だけでなく、身体で捉えてピアノ調律を行っているはずです。
もしも、大脳だけの音情報で音楽をするならば、脳の退屈しのぎにはなるでしょうが、身体の共鳴を変更し、瞑想に誘うような魔法をかけることは出来ないでしょう。
これができるのが真の音楽家です。

脳だけで音を識別しているのと、身体で音を識別することはどのように違うのでしょうか?
脳内は、シナプスという神経細胞の束が電気信号をやり取りして情報処理をしています。このシナプスは、ある一定以上の閾値の限界の電気信号が送られると、反応を起こすようにできています。
つまり、ある幅における入力情報は全て同じとみなすという情報の改ざんを行っているのです。
例えば、虹の色ですが、ある民族では虹は5色であるといい、また、ある民族においては7色であるといいます。(レジュメ27)

しかし、モネのような画家に虹は何色あるか?と問えば「無限」と答えるに違いありません。
赤の横のすぐ隣の赤を同じ赤とみなすか違うとみなすか?
この”微妙の妙”を捉えることこそが共鳴による身体認知であり、情報の改ざんが脳のデジタル信号処理の過程で行われていることがご理解できると思います。

音楽においては、なぜ12音階になったのかという一つの暫定的な解答に、大脳のデジタル信号処理に根差したものがあります。
まず、オクターブ認知ですが、人間の脳はある周波数の2倍の周波数を同じものと認識してしまいます。
本来は違う周波数なのに、脳内では、電位差が基底に戻ってしまうため、同じものと識別してしまうのです。
ある意味、このおかげで音楽という芸術が成り立つとも言えます。
また、そのオクターブ内にいくつの音を割り振って音階を作るのかという問いに対して、オクターブ内で電位差がしっかりとシナプスに識別可能になるような分割に従うということが出来ます。
つまり、脳内のシナプスによる情報処理において、1オクターブ12分割以上で分割しても、電位差が閾値を超えることが出来ず、別の音に認識できないという状況が起こるということです。

これは、先ほどの虹の色の説明と同じことです。
脳内認知がいかに、情報の改ざんを行ってしまっているのかご理解いただけたでしょうか?この情報の改ざんを積み上げていったものが人間の観念というものを作りあげてしまっているのです。
したがって、観念をいくら積み上げてみたところで、もともとの情報そのものにはたどり着けないため、観念思考と実在の間には永遠に埋めることのない溝が存在しているとも言えます。
地球とアルザルの溝、大脳と身体の溝ともいえます。

ここまでが脳内における12の説明です。
次に、身体共鳴における12を探ってみます。
身体共鳴の12の起源は、もちろん12KENの12です。
この12KENは23.46セントを解消するというROSの回復により組み上げられたものです。

脳内 12   23.46セントあり

身体 12KEN  23.46セントなし

という対比になっています。
12の起源は、脳内側にも身体側にも存在しており、それがピタゴラスカンマ(23.46セント)という値によって結び付けられているということなのです。
はじめ、12KENから20KENに拡張することが戌午転換のことだと思っていたのですが、これは間違っていました。
戌午転換における12とは脳内の12であり、12KENのことではなかったのです。
そして、次節のような対応表に気が付くのでした。

4-2 戌午転換と12KEN展開

ここでもう一度、戌午転換術を再考します。
頭が悪い状態とはどういった状態なのかを考えてみます。
それは、情報量を極端にカットすることで、安易な情報処理をしてしまっている状態のことです。
頭の良い人は無口な人が多いです。
それは、微妙の妙を感じ取る力があるからであり、すぐに言語に変換できないからです。
今まで説明してきた通り、大脳というものは、全身で感じ取るアナログ情報を、デジタル情報に変換して情報の改ざん、カットオフをしてしまっています。
神経伝達の際の電位差がある閾値を超えなければ、ある一定の幅の変化を同じものとしてみなしてしまうという訳です。
この神経伝達システムを、もっと性能の良いものにする可能性はあるでしょうか?つまり、電位差の閾値の幅をもっと小さく精密にできないものでしょうか?
大脳が、身体情報をカットオフする際、うまい仕組みがあれば、もっと上手に、身体情報を大脳側に転送できるはずです。(レジュメ28)

戌午転換術というのは、この脳内電位12パラメーターを脳内、および身体の共鳴を変えることで20パラメータに増やす転換術です。
上記で説明た通り、単純な音の識別は12パラメーターが限界のはずです。20パラメーターに増やすとはどういう意味なのでしょうか?
実は、和音にすることでこれが可能となります。(レジュメ29)

人間の認知は、和音のニュアンスに対して、より多くの識別能力を持っているのです。例えば、20KENの図形も、使っている色は12KENと同じ12色(12音を色で表している)ですが、その12色の組み合わせを考えるだけで20の別の頂点として識別できるわけです。
つまり、脳内電位も、より精妙な閾値の変化に反応できるようになり、微妙の妙が理解できるようになるという訳です。
これが「頭がよくなる」という意味なのです。

勿論、脳内共鳴とともに、身体共鳴も変わりますので、単に頭がよくなったというよりも身体がよくなったと言ったほうが状況を正確に表しています。
頭をよくするには身体共鳴を上げるしかないのです。
ここでいう12パラメーターとは12KENとは違います。
脳内の23.46セントが存在する世界での12音程なので、ケスエーテルネットワークが組めず、独立にばらばらな関係の12個の音にすぎません。
この独立なばらばらの12音を戌午転換することにより、身体共鳴を20KENにすることが可能なのです。
そして、20KENから、さらに対称性を高めたものが12KENであり、もはや、肉体を持つことすらできない高い共鳴状態(サマディー)です。

上記におきまして、12音階の暫定的な解答をシナプスの電位差の観点から説明いたしましたが、暫定的な解答と書いた理由の一つに、この12KENの存在があります。
身体共鳴の側からも12が特別であり、大脳側の12と身体側12KENが23.46パラメータを介在として繋がっているのです。
12の起源は二つあり、それは「12」と「12KEN 」です。

4-3 三位一体

今回の20KENの発見、考察で、次のような対応関係があることに気が付きました。(レジュメ30)

今回の考察で20KENがDNAに対応し、12KENは、その20KENを構成するための種子のようなもので、いわば、身体の元であるDNAを作るための情報ソース(意識、魂)と考えてよいものです。
意識、魂が情報展開した結果、DNAが生成されると考えることが出来ます。
また、脳内観念と魂はDNAを介してのみ連絡が可能です。
この事実から、戌午転換術とは

12⇔20⇔20KEN

のことを指していることがわかります。
そして、20KEN⇔12KENの転換は、どちらかというと、12KENから情報を引き出して20KENにするという意味で、

12KEN→20KENを12KEN展開(12KEN Expansion)
20KEN→12KENを12KEN還元(12KEN Reduction)

と呼んだほうが実情をうまく表現していると考えられます。

この図は、

前頭葉(12⇔20)⇔後頭葉(20⇔20KEN)⇔DNA身体(20KEN⇔12KEN)⇔意識魂(12KEN)

と置き換えれば、共鳴的観点からの三位一体を構成していることがお分かりいただけるのではないでしょうか?

第5章 まとめ

20KENを巡る旅はいかがでしたでしょうか?
正12面体問題から始まり、J.コルトレーンやB.リーマンのアイデアを融合して12KENから20KENにたどり着きました。
そして、その20KENはDNAそのものであることが解かり、12⇔20⇔20KEN⇔12KENの関係があることが解かりました。
また、12KENから20KENに情報展開する際に使った理論を、任意のKENに一般化する手法、KEN数論にも触れました。
そして、いよいよKEN理論とフォノグラム理論の統一に向かうべき時が来たようです。

今回の執筆作業は、思いのほか困難を極めました。
一番の原因は、この記事を書きながらも、次の新たな情報が脳内を駆け巡っているせいで、記事をまとめることが出来なくなってしまっていることでした。
この辺で、一度全てアウトプットしておかないと、数日後には収拾がつかなる可能性があったからです。
今、記事を書き終えると、私の意識は、20KENの先に思いを馳せています。
それはKENの理論の一般化であるKEN数論であったり、DNAそのものである20KENのさらなる情報展開の仕方、それは細胞分裂!であったり、素数の問題であったり。
全記事のUPから2か月ほど経過していますが、たった2か月のことをまとめるだけで教科書のようになってしまいました。
前記事と今回の記事をまとめれば、一冊の立派な本になりますね。

はじめにでも書いた通り、この記事をすべていきなり理解しようとするのは不可能です。
各節を1記事分として、何回も時間をかけて繰り返し読むことをお勧めします。
また、KEN理論セミナーやフォノグラムワークショップ、定期講習会なども開催する予定なので、より深い理解を望む方は是非、お問い合わせください。
文章で書くと難解なことも、直接お会いしてお話ししながら体感が伴いますと、「な~んだそんなことか!」となります。

実は、”出来るようになるよりも、説明することのほうが難しい”のです。
ここが私の苦労でもありますが、”絶対にしなくてはならないこと”であるという使命感を持っています。
これまでも内容的には同じことを、神秘家や宗教家が説いてきたことと思われます。
しかし、本来人間解放を目的とした教えであるはずのものが、人間を縛り付けるものになってしまったという悲しい歴史的事実があります。
それは、「自分で考える」ということを放棄させることから始まります。
誰でも、間違いたくないという心理から正解を自分以外の外に求めようとします。
しかし、本当のところ正解などないのです。
最も大切なことは、正解を知ることではなく、正解を求め自分で考えることなのです。
偉大な教えを知ることよりも、自分自身の立ち位置からすべてを始めるべきなのです。
そして、それは今この瞬間に始められます。
今そう決めればよいのです。
もしも私の研究になにがしかの価値があるとすれば、「自分で考え抜いた」ある一人の人間のこの宇宙の見え方を提示したことです。
この宇宙の見え方は、人の数だけ存在していいはずです。

「世界が自分をどう見るかなんてどうでもいい、自分自身が世界をどう見るかが大切だ!」

私の決意を込めた口癖でした。

どうか、皆さんのかけがえのない自分自身という宇宙を大切にしてください!

さぁ、次の旅はどうなるのか?

どこにイクのか?

小野田智之 2018/4/3

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