今回は標題にもありますように、“20KEN”というものが登場します。
もちろん、20ケスエーテルネットワークのことです。
前回の記事で12KENの概念について説明いたしました。
今回登場する20KENとは、12KENが内包する情報を展開すると、自然に生成される概念です。
いわば、12KENが植物の種子であるならば、20KENは、その種子が芽を出し、成長していく第一歩目のメタモルフォーゼなのです。
そして、この第一歩目こそ、新しい天地創造(認知創造!)の始まりを意味するものです。
12KENが成長した20KENは、いったい何を意味するのか?
これこそが今回の記事のメインテーマなのですが
”20KENはDNAそのもの”
であるということが結論されるのです。
12KENは対称性が高すぎる故に、時空間概念がありません。
意識はあるが主客の別もなく、故に認知という概念もありません。
もちろん、電磁気、物質概念もなく、肉体も持てません。
なぜなら、普通に考えれば、DNA(肉体)を作るには元素(に見せているもの)が必要であるからです。
つまり、12KENとは「意識、魂」の定義であり、
そこから肉体を構成するためのDNA、
そのDNAを構成するための元素、
その元素を結合させるための電磁気、
時空間認知を生み出す機構
が内包されていなくてはならず、その機構が本記事における12KENから20KENへの情報展開理論(Theory of KEN expansion)なのです。
そしてこの情報展開は、新しい創世記を意味します。
もしも、この宇宙(内宙)を作りあげた創造主(インテリジェント・デザイナー)が存在したとしたら、それは、間違いなく数学者であり、音楽家であるに違いないことと思われるでしょう。
本記事を読むにあたり、ちょっとした注意が必要です。
それは、KEN理論は12KENという「共鳴位相によって定義した意識(振動)」を出発点とした理論であり、いわば、宇宙の本源は意識(振動)であるという仮定のもとに考えられた理論であるということです。
したがって、現行科学のように、まず、物質生成が起こらなければ何も起こらないという考え方を一度、脇に置いていただきたいのです。
これが邪魔すると、何も見えなくなります。
だからといって、現行科学の諸結果を否定することにはなりません。
そう考えることにより、現行科学の適応限界を広げる可能性が生まれるということです。
本当のところ、この宇宙は意識(振動)しか存在しておらず、その振動が物質のように見えているだけなのです。
私は、自身の体験上、宇宙の始まりが意識であることを知っています。
同じように、3次元空間のように脳が見せている。
時間が進むように脳が見せている。
DNA2重螺旋構造のように脳が見せているのです。
その”そのように見せている”認知機構を解明することが次世代の科学であり、私が長年取り組んでいることなのです。
現行科学におけるDNA2重螺旋構造は、その物質相*のみの現れを捉えたに過ぎないものです。DNAの真の姿は、”見えない振動の塊”です。
そして、その見えない振動をも含めた真のDNAの姿が20KENなのです。
標題にもありますように、”DNA音程の創る形”が20KENです。
*物質のように見えている状態のこと
20KENを2重螺旋構造に見せている機構は、大脳による身体情報のカットオフ機能に根差していることは間違いないことであると思われます。
近い将来、このことについても、もっと明確な言い方が出来るようになるであろうと考えています。
いきなり結論から始めるのは、科学論文を書く上での定石でもありますが、このような記事を公開するということは、一般読者にこそ十分に楽しんでいただけるものを書きたいと思うからです。私が一番にしたいことは、私の旅路で垣間見た瞬間瞬間の美しい景色、体験を皆さんと共有することなのです。
ですから、途中、いろいろな話題に触れながら、20KEN発見に至るワクワクするような冒険の旅路を皆さんと共有できるような記事執筆を心がけたつもりです。
皆さんに感じてほしいのは、”単なる緻密さ、厳密さを超えた、理論の持つエレガントな力”です。
また、その発見に至る過程の、”生命の生々しい息遣い”です。
それでは、みなさん、この素晴らしい冒険の旅に出かけましょう!
旅に出かける前に、簡単な旅の道程を目次という形で記すことにしました。
旅路は、複雑に入り組んでおり、途中、難所もいくつかあります。
いっぺんに進むのではなく、休憩しながら自分のペースで旅を続けてください。
各章それぞれが独立に読めるように工夫して書いたつもりです。
また、今回も、画像資料のPDFをご用意してあります。
記事の文字数が25,000字近くあり、挿絵も大分になってしまったため、上巻、下巻にしてUPすることにしました。
全5章で構成しており、上巻は第1章と第2章、下巻は第3章から第5章となっています。
【下巻の構成】
第3章 12KENから20KENへ
3-1 KENの既約表現
3-2 KENの頂点周期とコード周期
3-3 20KENとDNA音程
3-4 20KENの正12面体表現とDNA音程
第4章 12KEN情報展開理論
4-1 12と12KEN
4-2 戌午転換と12KEN展開
4-3 三位一体
第5章 まとめ
20KENは、12KENに唯一含まれなかったプラトン立体である正12面体問題を解決する過程で発見されました。
正12面体問題解決の困難さがどこにあるのかを示すことがこの章の目的です。
4節において、DNA音程とDNAについて触れます。
さて、20KENにさっそく登場していただきましょう!
これです!(レジュメ1)
最高にCOOOLな構造物が姿を現しました!
そしてこれ!
正12面体ヴァージョン(レジュメ2)
前記事の5つのプラトン立体で唯一12KENに内包されなかった正12面体の正体が20KENなのです。
記事全文を読むのが億劫な人は、この美しい図形だけでも見てください。
この図形は、単なる抽象的なデザインでもなければ、私の創造の産物でもありません。
それは”場所なき場所*”から抽出した普遍的な造形であり、数学と音楽のもつ必然性から自然と立ち上がった造形なのです。
”場所なき場所”から抽出された20KEN 、それは数学と音楽の故郷なのかもしれません。
ですから、20KENは創造ではなく、発見なのです。
*場所なき場所:プラトンの表現、ギリシア語のトポス、アトポスの意
12KENに比べて何が変わったのか?(レジュメ3)
それは、頂点数が12個から20個に増えていること。
ノードの数も、48本から240本(3和音1本と考えると80本)に増えています。
そして、12KENでは、頂点もノードも単音を表していたのに対し、20KENでは、頂点もノードも全て3和音(コード)になっていることです。
この3和音がDNA音程というもので
A:アデニン(C#FA)、C:シトシン(D#BG)
G:グアニン(DF#B♭)T:チミン (CEG#)
と定義されています。
詳細はDNAとDNA音程の節で議論します。
基本ケスエーテルそのものが3和音で構成されており、足が8本の関係は崩れていないことに驚きます。20頂点×8ノードで160本です。
これが二組ずつ手を結ぶのでちょうど半分の80本になります。
そのため、20KENを作図する際、使用している色は12KENと同じ12色なのですが、和音の組み合わせにより、図のような3色の飴玉のような頂点表記になるという訳です。
実際80本のノードも全て3色で出来ているのですが、作図するにはちと複雑すぎるためその様子は反映させることが出来ませんでした。
その辺の細部につきましては、皆さんの豊かな想像力が補ってくれるであろうと信じております。
何だかインコが輪になって歌を歌っているように見えませんか?
この20KENを作図しているときに、ふと映画「ロッキー1」のある素敵なセリフを思い出しました。
「インコってかわいいよな~、空飛ぶ飴玉みたいだよな~」
ロッキーがペットショップで働くエイドリアンを、店頭のインコを観ながら口説こうとするシーンなのですが、とても印象に残っている映画のセリフの一つです。
で、、、、なんなの?
これがどしたの、、?
ってなりますよね。
はい、いきなり結論から述べていくのは、発見の道程とはいささか異なりはしますが、途中で挫けてしまう可能性を憂慮してのことです。
登山と同じで、頂きが見えているからこそ、登る元気が湧いてくるってものです。
私はといえば、手探りで山頂を目指した開山者ということになるでしょうか。
山の頂がどこにあるのか、そもそも頂などない山に登ろうとしているのではないか?
正直、12KEN の記事を上げてから一月ほど経過したころ、12KENから20KENに至る道が尋常でなく、事態の困難さをやっと自覚したにすぎませんでした。向こう1年くらいは研究の本質的進歩は見込めないかもしれない。しかし、この問題を解決するまでは、そこから一歩も動く気はありませんでした。
遭難必死のこの登山を成功に導いたのは、Jazz界の巨人J.コルトレーンの音楽理論を記した手書きのスケッチと、偉大な数学者B.リーマンの幾何学的アイデアの融合でした。(レジュメ4)
そこへ行く前に、この20KENという山の登山が、いったい何を目的としたものなのか?
問題の困難さがどこにあるのか?
その辺を明らかにすることから次のお話を始めたいと思います。
12KENの発見の後、すぐに時空概念や電磁気、素粒子を12KENから生成させる機構を考えなくてはならないことに気が付きました。
12KENは、時空間概念すらない宇宙の種のようなもので、この情報展開をどうするかが次の問題であることに気が付いたのです。
また、5つのプラトン立体の中で、正12面体だけが12KENに内包されていませんでした。(レジュメ5)
この一つだけ浮いた正12面体問題を解決する過程において、様々なことが同時に解決されていったのでした。
最初の手がかりは、正12面体が他のプラトン立体と異なり、頂点数が12から20に増えるという事実です。二つ目の手がかりは、前記事でも示した通り、バカボンブログの戌午転換術です。
この転換術にも、12パラメーターから20パラメータへの移行という12から20という文言が出てきます。
山田貢司さんとの正12面体考察の様子が「素数が役目を終える日(後編)」にライントークそのままの形式で掲載されています。
いわば、舞台裏を覗き見させるようなものですが、こういった舞台裏にこそ本当の価値があるのではないでしょうか?
余談になりますが、私の数学の師匠は、私のきれいな証明もほめてくれましたが、そこへ至るまでの何十枚にもわたる計算ノートやメモ(私にとってはゴミのようなもの)こそ宝ものとして大事にするように言われたことがあります。
なぜならばそれこそが、他人にとって本当に意味のある情報だからであり、正しい解答以上に価値のあることだからなのです。
さて気を取り直して、話に戻ります。
12KENは互いに直交した12音から形成される音の共鳴ネットワークですが、20に増えるということは、新たに8個、12音に直交する音を足さなければならないということになります。(レジュメ6)
すると、考えられるのは、1オクターブを12音で分割するのではなく20音に分割すればよいのではないかと誰でも考えます。
しかし、12KENは、その構成上、それ自体完全であり、それに何かを新たに付け加えたり、その都度、例外を設けなくてはならないのであれば、12KEN自体が間違っているということなのです。
その都度例外を設けなければならない理論というものは美しくないだけでなく、往々にして間違っています。
私は、12KENのもつ美しさを信じ、何かを付け加えるという発想を捨てました。
何かを付け加えないで頂点数を増やすなんてどうやればいいんでしょう?
先に急ぐ前にもう少し寄り道しましょう。
DNA3和音の4つ組
A:アデニン(C#FA)、C:シトシン(D#BG)
G:グアニン(DF#B♭)T:チミン (CEG#)
これを見ただけなら、オクターブ内で構成できる
オーギュメント3和音を単に並べただけのように思えます。
しかし、この3和音が、全てゼロビートの和音になることは、現実には不可能です。
なぜならば、ピタゴラスカンマである23,46セントの問題があるからです。
しかし、ROSの回復によって23.46次元トンネルを潜っていくと、これが可能となります。
また、ROSを回復させることによって出来上がった共鳴構造の基礎体が12KENなのでした。
23.46次元トンネルを地球側に向かっていけば、ROSが破れ、23.46セント値が回復していきます。
DNA3和音の4つ組は、再び、全てが同時にゼロビートになることは不可能となります。
したがって、DNA音程とは、アルザル(内臓共鳴世界)にしか存在しないもので、
ありきたりなものではないのです。
今度は、この12KENが地球側に向かって、次元トンネルを通過する時、その時のことを描写することができれば、それが新しい天地創造論ということになります。
23.46セント値がないアルザル(内臓共鳴世界)であるからこそ、12KENを組むことができ、また、DNA音程というものを考えることができます。
12KENのはじめの情報展開をしますと、20KENというより複雑な共鳴構造体が生成されるのですが、この構造体の全ての頂点とノードがDNA3和音の4つ組によって構成されるという驚くべき結論に達します。
しつこいようですが、23.46セント値が存在しない世界でしか、12KENは組みあがりません。
それによって、構成された20KENも23,46セント値が存在しない世界のものです。
地球側から観測されるDNA2重螺旋構造は、23.46セント値の存在する脳内認知による物質的解釈にすぎません。
脳内認知が始まってしまった後の世界を科学しているにすぎないのが、現行物質科学です。
我々は、その脳内認知が始まる前に遡る必要があります。
12KENの情報を展開するによって、認知創造(それが新たな天地創造!)の過程を明らかにしようとしているのが、私のやろうとしていることなのです。
DNA音程というものがただのオーギュメント3和音の4つ組ではないことがお分かりいただけたでしょうか?
DNA音程が23.46次元トンネルを通過する時、おそらく、物質的な細胞分裂の機構が存在するはずです。KENの構造が23.46パラメーターによって、この宇宙を生み出すほどの情報量を内在していることが解かります。
はじめにのところでも言及しましたが、物質が全てを生み出していると考えるドグマを捨てない限り、私の言っていることはナンセンスにしか聞こえないでしょう。
しかし、意識(振動)が全ての始まりであるというドグマを受け入れると、物質ができる以前にDNA音程があっていいのです。
なぜならば、それは、23.46セント値が存在する脳内認知が、振動を物質のように見せているだけだからです。
以上
が断片情報として、私の意識に深く刻まれました。
なかば狂信者のように、12KENとこれらのことを結び付ける考察を続けていました。
何日も何日も、正12面体の展開図をノートに書き、いろいろな解釈を考え続けました。
この間消費したノートの冊数は、10冊ほどになり、普段の3倍速の消費スピードでした。
そんなある日、突然、一枚の手書きのスケッチがFaceBook上に流れてきました。
そのスケッチが大ヒントとなり、20KENの発見につながっていきます。
それがJazz界の巨人J.コルトレーンの独自の音楽理論を記した一枚の手書きのスケッチでした。
この章は、正12面体問題を解決するにあたって、必要となったアイデアの紹介です。
はじめ、バラバラだったアイデアたちが、奇跡的に結びついていくさまは、まさに生命の躍動そのものです。
理論化する前の”生きた理論”の息使いが感じられるはずです。
第1章の最後に、あるFaceBookの投稿写真が大ヒントになり、20KENの発見につながったことを記し、第2章へと突入いたしました。
その投稿写真にはJ.コルトレーンの手書きのスケッチ*という標題が添えられていました。
*ジョン・コルトレーン(John Coltrane, 1926年9月23日 – 1967年7月17日)は、アメリカ、ノースカロライナ州生まれのモダンジャズのサックスプレーヤー。愛称はトレーン(Trane)。長い間無名のままでいたため、第一線で活躍した期間は10年余りであったが、自己の音楽に満足せずに絶えず前進を続け、20世紀ジャズの巨人の一人となった。(wikipedia抜粋)
それがこの図です。(レジュメ7)
この図を見るとすぐに目に入ってくるのは五芒星です。
そして、5オクターブで一周するというサスペンデッド進行の様子が図形化されていることに気が付きます。
1オクターブ12音階ですから、12×5オクターブ、合計60の半音階の目盛りが同心円状に描かれています。
正12面体の考察は、五芒星(五角形)との格闘でもありました。
ここで、サスペンデッド進行について説明しておきます。
サスペンデッド進行とは5半音進行のことです。
サスペンデッド進行
C(ルート) F B♭ D# G# C# F# B E A D G C
という進行で、元のルートのCに戻ります。
元のルートに戻るのに、5オクターブ必要なので、どこまでも落ち着かない進行ということでサスペンデッド(吊るされっぱなし)という意味が付いたようです。
この様子が、コルトレーンのスケッチにも描かれています。
C(ルート) G D A E B F# C# G# D# B♭ F C
このサスペンデッド進行は別名4度進行とも言われ、逆向きに進行すると、5度進行になっています。
4度進行(5半音)と5度進行(4半音)はちょうど表裏の関係になっていることに気が付きます。(レジュメ8)
1オクターブ12半音で、5半音と7半音に分かれるという事実が、どちらかが決まればどちらかが決まってしまう秘密です。
ちなみに、5度進行は、ピアノ調律などでは5度圏として知られ、ピタゴラス音律形成のための基本的進行であり、7オクターブで元のルートに戻ります。
半音進行をいろいろに考えると、五芒星同様、いろいろな多角形を構成することが出来ます。(レジュメ9)
1半音進行はクロマティックスケール(12角形)
2半音進行はホールトーン(6角形)
3半音進行はディミニッシュ(4角形)
4半音進行はオーギュメント(3角形)
6半音進行は2角形ということで考えることは出来ませんが、5、7、11半音以外は全て12の約数から構成されていることに注意してください。
半音の数が12の約数であるということは、1オクターブ内で割り切れるということです。
つまり、図形で表現する時、1オクターブ内で図形が閉じているということです。
12の約数でない、5や7、11角形は、1オクターブ内では図形は作れず、5半音進行であるサスペンデッドは5角形を描くのに5オクターブ必要ということになります。
また同様に、7半音進行である5度進行は、7角形を描くのに7オクターブ必要ということになります。
ここであることに気が付きます。
12KEN構造は、人体の共鳴を極限まで高めていった時の状態を共鳴位相というものを導入して幾何学的に表現したものです。
なぜ、12なのでしょうか?
12KENは自然倍音列のROS回復によって構成されたものです。
つまり、人体共鳴において12(2と3の因子*で構成される数)という数は基本であるということです。
*因子:12を構成している約数のこと
自然倍音列における第1倍音はルート、第2倍音はルートのオクターブ上、第3倍音は、G、ここまで[1:2:3]の関係が生まれます。
この比率が生まれると、とを考えることが出来ます。
つまり、第3倍音までで、5度圏を構成することができ、ROSを回復すればピタゴラスカンマがなくなり、12音階を構成することが出来てしまうのです。
そして、12KENに含まれるプラトン立体についても2と3の因子しか出てこないことに気が付きます。
つまり、正12面体と正20面体の点面変換において、初めて5の因子が
出てくるということです。
5という数は、12の因子[2、3]の中にはないことから、身体共鳴と脳内(後頭葉)共鳴を結ぶ基本因子になっていることが理解できます。
先ほどの自然倍音列で考えれば、12KENまでは2倍音、3倍音の組み合わせで構成できました。
第4倍音は2オクターブ上のC、第5倍音がEとなります。
しかし、ここで本質的なことは、第5倍音の5ではなく、5度圏によって構成されたオクターブによって、自動的に4度圏が生成されてしまうという事実なのです。
ここの説明は少し難しいですので、理解できなくてもとりあえず先に進んでください。
ただ、12KENと20KENの間には5という数が橋渡しをしているということだけは理解してください。
もう一度コルトレーンのスケッチに戻って考えてみます。(レジュメ10)
コルトレーンのスケッチは一周60半音の目盛りが描かれており、オクターブ(12半音)で区切れば五芒星になり、これは5オクターブあることを意味しています。
ここで私は次のように考えました。(閃きの瞬間!)
60半音のコルトレーンスケッチを20半音×3葉のリーマン面で再構成すれば、すべてうまくいく!
ここで、20KEN発見に至るための重要な幾何学的アイデアを紹介せねばなりません。
それは、19世紀ドイツの偉大な数学者B.リーマンによって考え出されたリーマン面という概念です。
【ベルンハルト・リーマン】
ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン(ドイツ語: Georg Friedrich Bernhard Riemann, 1826年9月17日 – 1866年7月20日)は、ドイツの数学者。解析学、幾何学、数論の分野で業績を上げた。アーベル関数に関する研究によって当時の数学者から高く評価されたが、先駆的な彼の研究は十分に理解されず、20世紀になって彼のそれぞれの研究分野で再評価されるようになった。19世紀を代表する数学者の一人である。
彼の名前が残っている数学用語に、リーマン積分、コーシー=リーマンの方程式、リーマンのゼータ関数、リーマン多様体、リーマン球面、リーマン面、リーマン=ロッホの定理、リーマン予想などがある。(wikipediaより抜粋)
数学が好きな人で、リーマンの名を知らない人はいないのではないでしょうか?
私の憧れの人でもあります。
さて、リーマン面の概念説明に移りたいと思います。
リーマン面の概念は、多価関数の幾何学的解釈を与えるところから誕生した概念ですが、H・ワイル「リーマン面」の緒言で以下のような美しい言葉が述べられています。「経験により多かれ少なかれ技巧的に解析関数から蒸留された何ものかではなく、あくまでもそれ以前のもの、母なる大地、その上にこそ初めて諸関数が生育し繁茂しうる大地とみなされなければならない。」
この文言にあるように、リーマン面の概念は、関数論以前の普遍的な幾何学概念であることが解かります。
こういうふうに説明すると何だかとても難しいことのように感じますが、音楽家は頭の中で普通にリーマン面の概念を使っています。
それは、オクターブ違いの音程に同一の音名で理解していることです。
ここで、ピアノの鍵盤を丸め込んで、オクターブで1周する円環のピアノを作ってみます。(レジュメ11)
上の図を見れば、状況はすぐに理解できると思います。
現実的には、このようなピアノは作ることは出来ませんが、音楽家は頭の中では普通にやっていることです。
むしろ、この状況を無理やり横に真っすぐ引き伸ばしたのがピアノという楽器ではないでしょうか?
これがリーマン面という幾何学的アイデアの全てです。
1オクターブを3枚重ねた3オクターブ分のピアノも、3オクターブを1枚にした円環ピアノも18半音を2枚重ねたピアノも同じ3オクターブのピアノなのです。
つまり、3オクターブの円環ピアノは、いろいろな型のリーマン面ピアノとして表現できるということなのです。
ここでもう一度、コルトレーンのスケッチに戻ります。(レジュメ12)
同心円上に、60半音の目盛りが描かれています。
このコルトレーンスケッチをリーマン面によって他の表現が可能であるかどうか考えてみます。
60半音
=[60半音× 1sheet] ①
=[30半音× 2sheet] ②
=[20半音× 3sheet] ③
=[15半音× 4sheet] ④
=[12半音× 5sheet] ⑤
=[10半音× 6sheet] ⑥
=[ 6半音×10sheet] ⑦
=[ 5半音×12sheet] ⑧
=[ 4半音×15sheet] ⑨
=[ 3半音×20sheet] ⑩
=[ 2半音×30sheet] ⑪
=[ 1半音×60sheet] ⑫
の12通りが考えられます。
①はコルトレーンスケッチそのものです。
以下の画像は⑤の12半音×5sheet(12半音×5オクターブ)型のリーマン面表示です。(レジュメ13)
ここで、我々は一度最初の問題意識に立ち返る必要があります。
我々の問題意識は、頂点数が12から20になることによって12KENに内包されない唯一のプラトン立体である正12面体の問題を解決することでした。
また、12KENという完璧な構造に何かを付け加えることなく、頂点数を12から20に拡張する可能性を探していました。
これを可能にするコルトレーンスケッチのリーマン面表現は③であることに気が付きます。
60半音=[20半音× 3sheet] ③
最後の詰めに向かう前に、もう一度12KENの幾何学的性質をおさらいしておきます。
この12KENの理解が進んだことも、20KEN発見の重要なカギの一つでした。
12KENとは、共鳴位相というもので結ばれた、高い対称性を持つ音同士のネットワークです。
12KENがもし二つあったなら、どうなるかということを考えてみます。(レジュメ14)
12KENは音の共鳴ネットワークなので、二つ足すと重なって一つになってしまいます。
同じ音源を二つのスピーカーで重ねて聞いても、流れている音源そのものが変化しないことと同じです。
簡単に言うと12KENの足し算はユニゾン関係になり、
12KEN+12KEN=12KEN
ということになります。
これは、無限に足し合わせても同様ですので
12KEN+……+12KEN=12KEN ①
12KEN×n=12KEN (n:自然数) ②
①,②を12KENのユニゾン和と定義します。
引き算も同様に定義します。
次に、12KENのスケール依存性(相似不変性)について議論します。(レジュメ15)
12KENは比の集合であり、その比が保たれなければ12KENは壊れてしまいます。
簡単に説明しますと、楽器の大きさで音律(音の比率関係)が変化してしまったら音楽は成立しないということです。
音の基音(周波数)は勿論小さい楽器のほうが高くなり、大きい楽器のほうが低くなります。
しかし、音同士の比率は変わらないということです。
したがって、12KENはスケール依存しないため、相似不変であり、どんなに大きな12KENもどんなに小さな12KENもたった一つの大きさの12KENであると言えます。
A(12KEN)=12kEN ③
A():相似変換
また、この相似変換を無限回繰り返しても結果は変わりません。
A…A(A(A(12KEN)))…) =12KEN ④
次に、12KENを一般化してnKEN(nは12以上)というものを形式的に考えておきます。
12KEN×nKEN=(12×n)KEN
=n×12KEN
=12KEN ⑤ (②より)
12KENの直積、直和というものも定義できますが、同じように全て一つの12KENになります。
①~⑤の代数式は12KEN代数の基本的な性質を物語っています。
この代数的性質は何かに似ていませんか?
そうです!ゼロの性質です!
12KENとは、KENという世界が構築するゼロの役目を果たしているのです!
12KENはこの宇宙を生み出す創造の種子であると同時に、全ての起点という意味を含んだゼロでもあるのです。
12KENを一般化してKEN代数や、KEN数論を考えることが出来ます。
KEN数論こそ、アルザル数論と呼ぶにふさわしいものであることが解ってきました。
今後の私の最重要研究課題でもあります。
さて、ここまで12KENの基本性質が解ってくると、1つの12KENには無限個の12KENが内包されていると考えてよいことが解かります。
であれば、12KENを無限葉のリーマン面と考えることが合法化されます。(レジュメ16)